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【黒神話 悟空 Black Myth Wukong】トロコンしたのでレビュー『面白いけど、不満も多い』

武士山

前々から目を付けていた黒神話・悟空がプレイ出来る!
西遊記は子供ときから好きだったし、トレーラー見る限り滅茶苦茶面白そうだ!絶対おもしろいわ。

プレイする前から、期待値を最大に膨らませてしまう悪い癖が発動していた私の運命は如何に...

当記事はこんな方におすすめです

  • 黒神話・悟空がどんなゲームか知りたい方
  • 黒神話・悟空の難易度が知りたい方
  • 黒神話・悟空のトロコン難易度について知りたい方

今回はPS5で2024年8月20日に発売された『黒神話・悟空 Black Myth: Wukong』をトロコンまでプレイしたのでレビューしていきます。

本作は中国の遊戯科学(ゲームサイエンス)によって開発されたゲームソフトで、内容は中国の四大奇書の1つである『西遊記』を題材としたアクションRPGです。

ある程度ネタバレを含みますので、何も知らない状態からプレイしたい人はご注意ください。また、一部辛口評価な部分もありますので気分を害する恐れがあることをあらかじめご了承ください。

 

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ゲームクリアまでのボリューム感

引用元:ソニー・インタラクティブエンタテインメント PS5トロフィー画面

ゲームクリアまでのボリュームはプレイヤーによってかなり差が出るかと思いますが、15〜30時間ほどでクリア出来る感じかと思います。
私の場合、1週目は15時間でクリアして、2周目を20時間、3周目を25時間という感じで、やり込みの精度を上げていく感じでプレイしました。2024年8月24日にトロコンするまでに60時間ほどでした。
隠し要素等を完全に回収していくようなら、1週目に25〜30時間ぐらいは時間を要すると思います。

ストーリーは「西遊記」の「その後の物語」

オープニングは、西遊記における三蔵法師の弟子になる前の、長寿になる桃を盗んで食べたり、不老不死の薬を盗んで飲んだりと天界で大暴れしていた頃の孫悟空を、顕聖二郎真君(けんせいじろうしんくん)が封印するという原作をオマージュした展開となっていますが、時間軸としては、二郎真君が悟空のことを『闘戦勝仏(とうせんしょうぶつ)』と呼んでいることから、西遊記の原作終了以降の仏様レベルまで昇格した孫悟空が、石に封印されたという展開から始まります。

時は流れ...

大昔に石に封印された孫悟空は、自身の神力を5つの宝具に宿し三界に飛び散らせた。
それらを再び集めることが出来れば、斉天大聖が復活する時が来ると猿爺は言い、孫悟空と瓜二つの一匹の猿 を「天命人」として宝具集めの旅へ送り出すところから、本作のストーリーが始まります。

各章ごとに、原作に登場したキャラクター達が登場しており、西遊記ファンにはかなり楽しめるストーリーになっています。
西遊記の原作を知らなくても、もちろん楽しめると思いますが、少しは原作を知っていたほうが、「あーあれね!」って感じることが多い内容になっていました。

不安定なフレームレート

私はPS5でプレイしましたが、グラフィックは綺麗で何よりも中国感満載の構造物などが、西遊記の世界観を上手く表現できていて、とても良かったと感じました。
しかし、PS5の限界なのか処理落ち気味で、動きがガクガクしたり、強制終了が私の場合だと4回ほど発生しました。
もう少しフレームレートを安定させるべきだと思いましたし、少し残念なところでした。

かなり難しい死にゲーだと思う難易度

発売前の情報だと、ソウルライクではないという情報で、死にゲーではないとのことで、プレイしてみると確かにボス以外のステージ攻略については正直かなり難易度が低めだと感じましたが、ボス戦に関しては紛れもなく難しい死にゲーでした。

私がぱっと思いついた過去にプレイしたゲームをボス戦の難易度でランキングすると

  1. NINJA GAIDEN 3
  2. SEKIRO
  3. 仁王2
  4. 仁王
  5. ダークソウル3
  6. Bloodborne
  7. Wo Long Fallen Dynasty
  8. ダークソウル2
  9. ダークソウル
  10. ELDEN RING
  11. デモンズソウル
  12. ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク
  13. ゴッド・オブ・ウォー

みたいな感じで、全てトロコン済みですが、本作のボス難易度は個人的には仁王とダークソウル3の間くらいの難易度でした。本作はレベル上げが出来ますが、レベル上げしてもそこまで強くなる実感がありませんし、レベルが上げにくいです。
2章をクリアするまでなら、正直簡単な部類ですが、3章から難易度が徐々にというか突然上がっていき、5〜6章とか結構えげつない感じでした。
プレイ感覚は、ゴッド・オブ・ウォーに最も近い感じで、ゴッド・オブ・ウォーのクレイトスが、西遊記の猿の世界に迷いこんだ感じで、敵の強さだけを強くしたイメージでした。

正直、ダークソウルシリーズや、近年のエルデンリングくらいの難易度でも挫折してしまったプレイヤーだと、本作をクリアするのは難しい可能性が高いと思いますので、死にゲー耐性がない方は購入を控えたほうがいいかもしれません。

個人的に強く感じたボスは

亢金龍                         魔将・蓮眼                      百眼魔君                       小黄龍                        毒敵大王                       壁水金睛獣                      王霊官                        顕聖二郎真君                     ラスボス

あたりは文句なしの強さというか、上手く見切れなかったボスで、結局何か知らんけど上手く噛み合ってギリギリ倒せたみたいな感じだった。また、長時間プレイすると処理落ちによってフレームレートが低下するので、顕聖二郎真君みたいにエフェクトが派手なボスは、攻略する前に一度プレステをリセットしてからの方がプレイが安定します。

基本の棍を使った戦闘アクション

戦闘アクションは軽棍(弱攻撃)と重棍(強攻撃)が主な攻撃スタイルになる。
基本的には、ダメージの低い軽棍で棍勢ゲージをためて、ダメージの高い重棍を叩き込むといったアクション。
軽混のコンボは1種類、重棍はレベル上げにより、3種類(劈棍、立棍、刺棍)に増やすことが可能。
また、敵の攻撃をタイミングよく回避することで、「瞬身」が発動して、棍勢ゲージをためることが出来る。
スキルの振り直しが容易に出来るので、敵に合わせてスキルポイントを振り直し、戦闘スタイルを変えることが出来るのは良かったと思うが、如何せんパターンが限られるというか、少し飽きやすい感じは否めなかった。
また、敵の攻撃後の隙に、軽棍のコンボが最終段まで繋がることはあまりないため、途中で回避行動を経由してから、最終段へ繋げる必要があり、スピード感がなく爽快感があまりない。

法術の使い心地がイマイチ良くない

法術はかなり強く便利だがクールタイムがあるため乱用が出来ずに、結局は基本の棍を使った立ち回りが最低限要求される。
また一部の敵には効果がなかったりする場合も多いため、使い損することもあり、使いづらかった印象がある。
クールタイムが短いことや、装備品での優遇もあって金剛術は乱用したが、金剛術でパリィした後の反撃攻撃のリーチが短すぎて、ミスることが多くイライラすることが多かった。
分身の術は初めて使った時に処理落ち気味になって、PS5が強制終了したのもあって、あまり使わなかった。
変化の術は、ボス戦の奥の手としてかなり役に立ったが、どれもこれも爽快感は感じられず重たい印象だった。
何というか、法術と棍棒をミックスさせたコンボ技みたいなものがあった方が良かったと思う。

魂魄による妖怪技

魂魄を取り込むことで、妖怪技を使用することが出来るようになり、装備することで少しばかりかステータスをアップさせることが出来る魂魄だが、序盤で入手できる「亡魂」は防御力を大きく上げる効果があるが、その後に入手出来る魂魄で、何かを大きく上げる効果がある魂魄はあまりなく、必然的に亡魂の優位性が高くなってしまっている。
また、魂魄のレベルを上げる素材も数が限られており、何でもかんでも魂魄のレベルを上げることが出来ずに、沢山ある魂魄の中からある程度厳選したものしか、満足に使えないような感じになっているため残念だった。

敵の攻撃モーションが個人的に分かりにくかった

基本的に素直なモーションの敵もいる中で、難易度調整なのか意味不明なモーションで攻撃を繰り出して来るボスが後半は顕著になってくる。
本作の特徴としては、ボスが攻撃をしようとしている予兆は確認できるが、攻撃に転じる瞬間のモーションが分かりにくいことが多く、感覚的に回避することが出来ない。
何となくソウルライク系に慣れている人ほど、感覚にズレが生じるような敵の動きだったかと思う。
終盤は視覚よりも、音を聴いて回避することが多かった。

崖際の「おっとっとモーション」が鬱陶しくて探索意欲が失せる

本作はフィールド上の隅に見えない壁が存在しており、明らかに行けそうなのに行けない場合が多かったり、崖に近づいたら「おっとっと」みたいなモーションになったりと、少し残念な部分が多かった。
個人的には、おっとっとみたいな崖際モーションだけはマジで辞めてほしかった。
この鬱陶しいモーションのせいで、探索意欲を失って崖に近づかなかったりしたが、隠し要素的なものは崖の下にあったりするものが多く、何だかなって感じだった。
正直、崖モーションはなぜ採用した?明らかに無駄な演出だったとしか言いようがない。本当にマジで必要ない。

明暗がキツすぎるグラフィック

グラフィックは美しいし、雰囲気も良いと思うが、個人的には明暗の差がありすぎて、異常に目が疲れると感じた。
私が高齢化しただけかもしれないが、暗くなったり明るくなったりして、目が追いつかない。
暗い場所は全く見えなかったり、明るい場所は眩しすぎたりと、おじさんの目の性能では結構キツかった。

字幕が小さすぎて見えない

本作は字幕が小さく、おじさんが読むのはキツイ!
24インチのディスプレイだと、エグいほど字幕小さいです。近づいて読もうにも老眼で見えません。

トロフィーコンプリートの難易度

トロコンまでは60時間ほどでしたが、一部が運に左右される仕様となっており、人によっては100時間かかっても不思議じゃないと思います。

なかでも漬け材の収集が非常にキツく

  1. 嫩玉藕(碧藕 採取時に確率で入手)
  2. 鉄骨銀蔘(老人蔘 採取時に確率で入手)
  3. 青山骨(甘草 採取時に確率で入手)

の入手は、一度採取するとしばらく採取出来なくなるため非常に骨が折れました。
トロコンを狙う場合は、クラウドストレージに採取前のデータを保存しておいて、採取出来なかったら、リセマラすると効率がかなり上がりますが、それでもかなり低確率ですので、人によってはコントローラーが壊れたり、PCが壊れたりするかもしれません。

本作の主要人物の簡単な解説

孫悟空

ある日、花果山の山頂の石が砕けて、石の卵から猿が産まれた。
通りかかった通臂猿猴(つうひえんこう)は、石から出てきた石猿に近づいてみると、通臂猿猴の動きを真似て動いてみせた。
それを見て大喜びし、猿の群れに石猿を招き入れた。
石猿の才能たるや大したもので、数年で群れの王に君臨し、「美猴王(びこうおう)」と名乗るようになった。
悠々自適な暮らしをしていた美猴王は、いずれ訪れる死を不安に思い、不老不死を求めて修行に出ることとなる。
その後に出会った須菩提祖師(しゅぼだいそし)から、数々の法術を学び、孫悟空の名をもらい受ける。
その後は調子にのって、自分自身を「斉天大聖(せいてんたいせい)」と名乗り、そのあまりの強さと暴虐無人ぶりに天界も放置することが出来ずに、「孫悟空さん、斉天大聖の称号を正式に許可するんで、少し暴れるの辞めてもらっていいですかね」って感じだったが、天界で不老不死の薬を盗んで飲んだり、桃を爆食いしたりと大騒動を引き起こして、顕聖二郎真君と太上老君によって、五行山に封印されることとなる。
500年後に、三蔵法師に助けられ弟子として、数々の妖怪を退治して取経の旅を終えると、その功績を讃えられて戦いをつかさどる仏様「闘戦勝仏(とうせんしょうぶつ)」となる。

顕聖二郎真君(けんせいじろうしんくん)

封神演義にも登場する、清源妙道真君(せいげんみょうどうしんくん)こと「楊戩(ようぜん)」と同一人物です。
額に第三の目を持ち、哮天犬(こうてんけん)と三尖両刃刀を持っています。
本作の裏ボスにして、最強の敵となります。

黒風山の謎の老道士

黒風山で序盤に登場する通りすがり老道士で、天命人に定身術を授けてくれますが、この老人こそが大昔に美猴王(びこうおう)に法術を伝授して、孫悟空の名付け親でもある須菩提祖師(しゅぼだいそし)です。

猿爺

個人的な見解も含みますが、冒頭に登場するヨボヨボの猿爺ですが、この猿爺こそが不老不死により生きながらえた孫悟空の姿です。
頭に緊箍児(きんこじ)は付けておらず、通肩と天衣を着衣していることからも闘戦勝仏になることを認めて、仏様になっております。
手には緊箍児を持っており、自らの後継者として新たな斉天大聖の誕生を待ちわびています。

猪八戒

かつては天河の水軍の大将である天蓬元帥(てんぽうげんすい)だったが、酒に酔って仙女に手を出した罪で下界に追放された。
その際に魂が豚の胎内に入ってしまい、豚のバケモノとして転生。その後、烏斯蔵国の高太公の第三女・翠蘭の婿になっていた時に、三蔵法師の二番弟子となって猪八戒の名を授かり、取経の旅に同行することになる。

まとめ

全体的には良く出来ている作品で面白い作品だったが、かゆいところに手が届いておらず、なぜそうなった?と疑問が残る部分も多かった。
個人的には崖際の糞モーションだけは、マジで不要というか不愉快だったし、これが原因で探索意欲が滅茶苦茶そがれた感が否めなかった。
アクション要素も多いようで狭く感じたし、プレイヤー側の動きが鈍く爽快感がないのに、敵だけ超楽しそうに速い動きをしているのも何だかなって感じだった。
何というか地味というか、プレイしていて気持ちよさがあまりないゲームだったかと思う。
クソゲー、凡作、良作、傑作、神ゲーという評価があったとしたら、私としては「良作」くらいの作品だったと評価する。

まあ、一応トロコンまでプレイしたプレイヤーの個人的意見として、参考にしていただければ幸いです。

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