今回は、話題になりまくった『エルデンリング』について、私の個人的な評価と感想をレビューしていきます。あくまでも独断と偏見によるものです。
毒にも薬にもならない無難な感想を書くつもりはございませんので、エルデンリングの熱狂的なファンは読まないことをオススメいたします。もし読んだ場合の苦情は受け付けておりませんので、あらかじめご了承ください。
当記事はこんな方におすすめ
- エルデンリングを購入しようか迷っている方
- エルデンリングがどんなゲームか知りたい方
- ドM気質な方
ゲームクリアまでのボリューム感
ゲームクリアまでのボリュームは、プレイヤーの遊び方に依存するので何とも言えませんが、およそ平均40~70時間ほどで1周目がクリアできるかと思います。
ボリューム的には、かなりあるので暇つぶしにはもってこいです。
トロフィーコンプリート(トロコン)獲得まで
私は、2022年3月23日にトロコン済みで、トロコンまでに約150時間ほどでした。そこそこボリュームがあるので、社会人にとってはかなりの重労働であることと、ゲームが嫌いな妻がいた場合、確実に怒られる可能性がアップすると思います。お気をつけください。
評価と感想をレビュー
冒頭からいきなりピークに到達するエルデンリング
死にゲーの魅力を世の中に周知させた、フロムソフトウェアが制作した『デモンズソウルやダークソウル』、年々ぬるくて簡単になっていくゲームに飽き飽きしていたゲーマー達を唸らせて、少しずつ知名度をあげてきた死にゲーの代名詞ともいえるゲーム達だ。
そして今回オープンワールドゲームとして制作されたのがエルデンリングだ。
冒頭から広い世界が目の前に広がっており、『お~面白そう・・』って感じながら、目の前にいる馬に乗った敵と戦うのが、エルデンリングにおけるピーク!
ここが、本作の最高到達点である。なぜなら、滅茶苦茶面白いからだ。
初期装備&初期レベルでも何とか倒せるであろう絶妙なバランスの難易度調整が出来ており、いきなり誰でも激闘が楽しめてしまう。間違いなく、本作にとって最高の場面の一つがそこにある。
最初に選ぶ素性も初期段階であればあるほど、顕著に特徴が表れるため、あらゆる素性でいきなりピークを迎えることが出来る。冒頭から、いきなり脳みそからアドレナリンがブッパされて飛べる。
デジャヴ&デジャヴ
私は不思議な子供だったので、子供の頃はよくデジャヴ的な感覚があって、初めて来た場所なのに『あれ、ここ来た事あるな』みたいな体験を良くする子供だった。そんなカワイイ子供だった私が大人になるにしたがってデジャヴを感じることは無くなった。
それがどうだ・・冒頭からアドレナリンがブッパされて興奮していたところ、大変申し訳ないんですが、このエルデンリングのデジャヴ的な感覚は?なんなんだ?
そうだ・・新規タイトルであるにも関わらず、この動きは『ダークソウル』のそれだ。間違いない?いや間違いなのか?えっ?
私の感覚がおかしいだけかもしれないが、この動き、ローリング、攻撃モーションなどが、『ダークソウル』のそれとしか思えない。
『ダークソウル4』でいいじゃないか?そうゆうタイトルだった方が本作は絶対にしっくりくる。
あ~致命の一撃が気持ちいい~・・ん?このモーション・・どこかで見たことあるような気がするな・・やっぱり『ダークソウル』だ。
参考動画
広くて楽しい世界だったはずが、どんどん窮屈になっていく
オープンワールドゲームは個人的に好きだ。ウィッチャー3ワイルドハント、ホライゾンゼロドーンなどはトロコンしたほど熱中したし、冒険している感覚があるから好きだ。
本作も例外なく冒険感があり、冒頭からのゲームの掴みは非常に素晴らしいものがある。いきなりフルスロットル状態で楽しかった。しかし、それは本作をやり始めたばかりの新鮮な気持ちでいられる初期段階での話で、楽しさも次第に陰りが見え始めてしまう。
広いだけの世界にほぼプレイヤー&馬だけで冒険感は徐々になくなってくる。
たまたま、発見したNPCに会話したところで、『だからなに?』といった良く分からない軽い会話で終了する。
いや、別に『ダークソウル』といった、ある程度ステージとして型にはまっているゲームで、NPCを発見しやすいゲームであれば、その程度の軽い対応でもいいと思うが、本作はオープンワールドゲームであり、とにかくマップが非常に広い。
マップだけでは判断できない高低差も存在し、簡単に行けない場所なども多数存在する中で、米粒のような小さなNPCを見つけるだけでも、とにかく骨が折れる。
そんな米粒NPCと会話したところで、会話した段階では意味を理解することも難しいため、結局は後手後手に回っていき、NPCクエストを受注していること自体を忘れていって、次第にNPCイベントは勝手に終了を迎える仕様になっている。
クエストの受注履歴もなく、全てはプレイヤーが記憶するかノートか何かにメモしておくくらいしか、NPCイベントを全て達成するのは難しかった。
私はゲームが好きだし、どんなゲームでも攻略情報などは見ない様に心掛けている。
しかし、恥ずかしながら、本作のタリスマンのトロフィーが取得できず、自力ではどうすることも出来ず路頭に迷ったあげく、攻略情報を見てしまった。
大変情けないし悔しかったが、どうしても分からなかった。
結局はNPCイベントで手に入れるタリスマンがトロフィー取得には必要だったことを知り、『そりゃねぇだろ』と独り言を言いながら、イライラするハメになった。
タメてタメてストレスをタメる不自然なエネミーからの攻撃
初めは新鮮な気持ちもあり、自分の購入したゲーム、しかもフロムソフトウェアのゲームなんだから面白いに決まっているという先入観があり気づかないが、ゲームを進めていくとある違和感に気づくだろう。そう・・・それは、エネミーの攻撃が何かおかしいということだ。
本作のエネミーの攻撃は一言でいうと、『タメ攻撃』だ。
私のゲーム歴38年の歴史上で最もタメ攻撃を多用してきた『エルデンリング』
こちらに攻撃をしようと振りかぶった後に静止してタメを作るエネミーからの攻撃は、明らかに不自然である。
通常は振りかぶった反動を利用して、攻撃の威力を高めるのが自然の摂理だと思うのだが、本作は振りかぶった動きから静止したにも関わらず、攻撃の威力はそのままプレイヤー側にぶつけてくる。
野球のピッチャーが投球フォームに入って途中で動きを静止したにも関わらず、150kmのストレートを投げてくるようなものだ。
所詮ゲーム、されどゲーム。
時代の流れとともに、ゲームにも映像美やリアルな表現へのニーズが高まりつつある昨今で、これほどまでにリアルじゃない不自然な動きがあるだろうか?
故意的に攻撃を避けにくくしているんだろうなっていう、意地糞悪い感じがビンビンと伝わってくる。
ディレイディレイディレイと不自然すぎて気持ちが悪く、アクションゲームとして感覚的に破綻している。
本作はアクションゲームではなく、RPGゲームにオマケ程度のアクションが付いたゲームだと思った方がいい。
プレイヤー側の入力に即座に反応するAI
ダークソウル、SEKIROといった過去のフロムソフトウェアの死にゲーでも、割と入力監視は強いイメージだったが
『エルデンリング』では更に露骨に磨きがかかっていると感じる。
こちら側のボタン入力に対して即座に最適な嫌がらせのような行動を取るAIは、非常に頭が悪く不自然な動きをする。
エネミー側が攻撃態勢の途中まで行動した状態であっても、プレイヤー側の行動次第でエネミーの行動がキャンセルされる。
プレイヤー側にはそんなキャンセル技はないというのに、どうゆう了見なんだろうか?
とにかく、エネミー側が圧倒的に有利な状況になる嫌がらせが展開される。
すぐに飽きる戦闘アクション
ダークソウル面白い、エルデンリングも最初は面白い
だけどね、ダークソウル、ダークソウル2、ダークソウル3
そしてダークソウル4 じゃなくて
『エルデンリング』と、毎回毎回、同じようなことを、どんだけやってるんだという話です。
ローリング、攻撃、ローリング、戦技、ローリング、攻撃と、ほぼ毎回パターンが一緒。
新規タイトルだというのに、ほとんど真新しいことはないし、まったく革新的でもない。
ダークソウル3を劣化させたものをベースに、広いマップを付与して、エフェクトをオシャレにした戦技を付与しただけのアクション。
SEKIROのようなキビキビとした行動速度や一瞬の瞬発力を必要とする、プレイヤースキルに依存するようなゲーム性もない。
低難易度+理不尽+嫌がらせ=見せかけの高難易度という、ハリボテの死にゲーなので、あらゆるプレイヤーが理不尽に対して強い戦技をぶっぱなすだけのアクション性が皆無のゲームに成り下がってしまったと感じました。
アクション性を感じるのは、パリィを決めることくらいです。
参考動画
シモ・ヘイヘかよ
シモ・ヘイヘをご存じだろうか?
フィンランドのスナイパーで、ソビエト軍から『白い死神』と恐れられた最強のスナイパーの一人だ。
スコープのついていないアイアンサイトで、射程距離300メートルを確実にヘッドショットするような反則級のヤバいスナイパーだ。
本作エルデンリングの遠距離攻撃をしてくるエネミーは、みんな『シモ・ヘイヘ』だと思ってくれていいだろう。
馬に乗って走っているのにも関わらず、意味が分からないほどに命中する。そして、命中した弓矢が刺さりっぱなしという嫌がらせともいえる演出が余計に腹立たしい。
参考動画
ワクワクしなくなるコピペダンジョン
発見した新たなダンジョンへのワクワク感は次第に薄れていく。それはほとんどコピペだからだ。
間違いなく、CTRL+Cをして、CTRL+Vをしただろう・・そんな感じだ。
言い方が悪いけど、時間がなかったからコピペダンジョンにして、敵の配置を変えたり、チャリオットとか配置して嫌がらせ要素を増やすことで、低難易度+理不尽+嫌がらせ=見せかけの高難易度を演出するハリボテダンジョンにしてみました。・・・みたいな感じだ。
こんなコピペダンジョンを量産するくらいなら、むしろなかった方がいいし、武器等の報酬が貰えるようなボスと戦える場所を増やしたほうが良かったと思う。
ボスまでコピペ
ビックリすることにボスまでコピペです。
そして、コピペ+コピペ+手抜きの三段構えともいえるボス使いまわし複数バトルは、なかなかの憎い演出だ。
頭の悪いAIとディレイ攻撃が絶妙なハーモニーを生み出し、大ホールで壮大なクラシック音楽を聴いているかのような心の高鳴り・・・もとい、ストレスがプレイヤーに襲い掛かってきます。
『またお前が出てくんのか?』としか言いようがないボスのバーゲンセール!
ボスだった敵が使い回されるほどに、ボスとしての威厳がなくなっていき、ボスという価値観を自ら下げていって、最終的にはただの雑魚になっていくスタイル。
プレイヤー側に匙を投げた雑な難易度調整
頭の悪いAIとディレイ攻撃に対して、プレイヤー側はどのように対応するか?
自称プロ野郎
・こんなゲームパリィだけで余裕やん!下手くそ多すぎ(謎のマウント)
武器こだわり野郎
・特大武器が一番強い、鞭が強い、槍が強い、あれが強い、これが強い
戦技ぶっぱ野郎
・兎にも角にも、戦技をブッパ、この戦技が一番強い
魔術こだわり野郎
・彗星アズールしてみろ飛ぶぞ!
祈祷こだわり野郎
・蝿たかり連発してみろ飛ぶぞ!
チクチク野郎
・大盾構えてチクチクしてみろ飛ぶぞ!
バグ技野郎
・バグを使って対人で雑魚倒すの楽しいー!
上記のような多種多様な攻略スタイルがあるのは当然だから、どんなやり方でもいいだろう、そんなもん個人の自由だ。
選択方法によっては難易度を大きく下げて簡単にクリア出来るだろう。逆に縛りプレイをすれば難易度は高くなる。
なんだ、難易度を自分で調整できるんだったら、良心的なゲームじゃないかと思うのは普通だと思うが個人的には、それはいただけない。
人間は楽な方、楽な方に自然と向かいやすい傾向にあると常々思っている。よほどのドMじゃなければ、わさわざ縛りプレイをするようなことはしないだろう。頭の悪いAIとディレイ攻撃をしてくる敵の攻撃にイラッとしたら、戦技をブッパするのが関の山だ。
そして何か消化不良のまま、戦技をブッパしてたらクリアして終わりだ。
だったら縛りプレイすればいいだろう?と言われればそうなんだが、果たしてこの頭の悪いAIとディレイ攻撃をしてくる環境下でやる気がでるか否かという話だ。
過去の死にゲーを思いだしてもらいたい。
武器の違いはあれど、上記のような選択方法で難易度を大幅に下げることが出来ただろうか?
答えはノーだろう・・・プレイヤー側はクリアするために、プレイヤースキルを上げていったはずた。
そして、ボスを倒した時には達成感、喜びがあったはずだ。
どんな遊び方でも最低限の難易度を確保して、プレイヤー側に達成感を与えるべきだと思うし、クリアできた事で周りに『俺はやった!』ってちょっとした自慢ができるようなゲームであるべきだ。逆に途中で諦めてしまうプレイヤーもいるだろうが、そうゆうのを含めて死にゲーの醍醐味だと思う。
本作は著しく過去作より達成感が低いと感じた。
ゲームを攻略したという感覚が低く、何か面倒な作業をしただけだったという虚無感に襲われる。
参考動画
まったく感情移入できない褪せ人
本作のプレイヤーは褪せ人として、広い世界を冒険するわけだが、如何せん感情移入なんてする予知すらない。
そもそも、こいつは一体何がしたいんだ?としか思えない。
国民的RPG『ドラゴンクエスト』を知っているだろうか?
まぁ、ほとんどの方がご存じだとは思うが、ドラゴンクエストの主人公は基本的に自ら喋ることはなく、主人公の周りのキャラが会話をするシステムになっている。プレイヤーは主人公がどんな風に考えているかをプレイヤーの好きなように想像させるように『余白』が設けられており、主人公が喋らないにも関わらず、最低限の面白さを提供している。
それと同様にエルデンリングでも主人公は喋らないので、『余白』の部分を楽しめるかと言うとそうではない。
そもそも会話する対象がほとんどいないし、ほぼゲームの大半は敵と戦っている時間と広いマップを移動している時間だ。
つまりは、戦闘と移動にマキシマムベッドしたことを想定しているゲームだということだ。
しかし、上記でも記載したとおり戦闘部分におけるアクション性については破綻しているため、必然的に残された部分は移動ということになる。
さあ、どうしたもんか・・こんなゲームの主人公に強い思い入れは生まれないだろう。
上手く出来ないキャラメイク&ダサい頭装備
主人公への思い入れに重要な要素としてキャラメイクがある。
個人的には仁王2のキャラメイクは大変素晴らしく、イケメンから美女まで比較的簡単に作成できたし、すべての装備で自分の好きな見た目に変更することも出来た。もちろん自分の作成したお気に入りのイケメンや美女キャラだからこそ愛着も湧いてくる。
しかし本作のキャラメイクは、過去作との比較でも相変わらずあまり進化もしておらず、私の好きな美女を作ることも非常に難しかった。美女だと思って、いざフィールドに出ると想像以上の出来栄えにガッカリだった。
それに追い打ちをかけるが如く、ゲーム内で手に入る頭装備にはステータスを上げる効果があるものが多く、どうしても装備せざる負えないんだが、これがとにかくダサいダサい。
頭装備を非表示にする方法もPS5にはないため、とにかくこのダサいキャラを操作すること自体苦痛だった。
オープンワールドにした意味がない
オープンワールドゲームの醍醐味は、主人公やキャラクターの魅力、ストーリー構成、世界観などが充実しており、まるで一本の映画をゲームで冒険したかのようなプレイができることだと思っている。
過去に大作と呼ばれたオープンワールドゲームは、その基本的な醍醐味がしっかりと味わえる。
本作はオープンワールドでありながら、戦闘と移動に重きを置いており、ほぼ会話もないので無機質な物体を操作しているような感覚になる。そして、重きを置いた戦闘部分も残念な出来栄えになっており、オープンワールドゲームであるメリットを活かすことなく、見事にデメリットの部分だけが強調されている。
まとめ
さんざん否定的なことを書いたが、あくまでもベースは『ダークソウル』であり、劣化しながらも最低限の面白さは確保している。しかし、過去作を含めてフロムソフトウェアのファンであればあるほど、落胆する要素が非常に多くあると思う。
近年に発売された『SEKIRO』というアクション面にマキシマムベッドしたゲームは、見事な剣戟アクションだっただけに、今回の新作にも期待は大きかった。しかし、蓋をあけてみれば過去のゲームの焼き回しどころか、むしろ劣化しているという有様・・・
あのSEKIROの次に、このレベルのアクション風のゲームを出すかね?
もう少し、エルデンリングには検討が必要だったと感じるし、検討段階でしっかり練っていれば間違いなく良いゲームになっていたはずだ。
時代は流れ、2022年。
過去の神ゲー『デモンズソウル』『ダークソウル』ですら、古めかしい時代遅れという印象をユーザーに与えるようになった。
時代は移りかわり、求められるニーズも更に高くなっていく中、ゲームの制作会社は大変だろうけど、是非とも、また心を熱くするようなゲームを制作してもらいたいと思う。
何だかんだ言ってフロムソフトウェアのゲームが好きだから。