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【FF16】評価と感想『星座をモチーフに?』考察が楽しい奥深い王道ストーリー『ファイナルファンタジー16』

武士山
ファイナルファンタジーと言えば、私が小学1年生の時に初めてFF1をプレイして以降、私の成長とともにナンバリングを重ねてきたビッグタイトルで、私のような40代のおじさんにとっては思い入れの深い作品です。
しかし、個人的に近年のナンバリング・・特に13ではストーリーが分かりにくく、『パルスのファルシのルシがパージでコクーン』みたいに専門用語を多用したり、15のようにホスト4人組でただでさえ華がなくて生理的に微妙なのに、王家の盾の分際で突然怒り出すヒステリックなゴリラに『お前何様だよ』とか言われて、温厚な私でもイライラさせられたりと、がっかり続きのナンバリングタイトルが続きました。
さて、今回のFF16は果たして・・・どうなのか?

 

今回はPS5『ファイナルファンタジー16』について、私の個人的な評価と感想をレビューしていきます。あくまでも独断と偏見によるものです。

毒にも薬にもならない無難な感想を書くつもりはございませんので、ファイナルファンタジー16の熱狂的なファン及び熱狂的なアンチは読まないことをオススメいたします。もし読んだ場合の苦情は受け付けておりませんので、あらかじめご了承ください。また、ネタバレを含んでおりますのでお気をつけください。

当記事はこんな方におすすめ

  • ファイナルファンタジー16を購入しようか迷っている方
  • ファイナルファンタジー16がどんなゲームか知りたい方

ゲームクリアまでのボリューム感

ゲームクリアまでのボリュームは、サブクエストのプレイ内容などで変わると思いますが、およそ平均30~60時間ほどで1周目がクリアできるかと思います。
ボリュームとしては短すぎず長すぎないといった良い塩梅かと思います。

 

トロフィーコンプリート(トロコン)獲得まで

私は、2023年7月7日にトロコン済みで、トロコンまでに約80時間ほどでした。そこそこボリュームがありますが、トロコン難易度はかなり低いので、時間があれば誰でもトロコン出来るかと思います。

 

評価と感想をレビュー

紛れもなくファイナルファンタジーらしい王道ストーリー

クリスタルを中心に物語が展開されるストーリーは、内容は違えど往年のFF3、FF5を彷彿させ、召喚獣に顕現できる特殊能力を持ったドミナントを兵器として扱い、クリスタルを奪い合う国同士の戦いだったり、クリスタルの力による恩恵や黒の一帯などのリスク、特殊能力を持って生まれただけで奴隷として酷い扱いを受けるベアラーといった世界観が分かりやすく、まるで現代社会の構図と照らしあわせて制作したのかと思えるほど、現代社会を必死に生きる社会人・・とりわけ30代~40代の仕事、子育てなどを頑張っている世代には、本作のストーリーは心に刺さると感じた。
逆に悪くいえば、自立しておらず親孝行していないニートのような生き方をしている層には、本作のストーリーはつまらない陳腐なものだと感じるかもしれない。

はぁ?なぜニートだと楽しめないんだ?てめぇニートなめんなよ!って声が聞こえてきそうですが・・

本作は家族の絆、兄弟の絆、仲間の絆、恋愛模様、強い意志、信念といった、ニートには無縁な内容が色濃く出ているストーリーであるため、間接的にニートを否定されていると感じて憎悪さえ感じるかもしれませんので、ニートが本作をプレイすることはオススメ出来ません。

(ここで言うニートとは、健康で元気なのに仕事もしないで、引きこもってゲームやネットばかりしている人のことです。以下ニート)

 

メインストーリーに上手く補完されるサブクエスト

サブクエストは正直どんなゲームにおいても、糞扱いされる要素の一つで、口を開けばおつかいクエスト、寝ても覚めてもおつかいクエストと、普段おつかいに一人で行くことも出来ないニートどもが、おつかい、おつかいと言って、つまらない、つまらないと大名行列のように文句を言ってくるんでしょうから・・ゲーム制作会社もたまったもんじゃないでしょう。
さて本作のサブクエストはどうかというと、間違いなくおつかいクエストです。
誰かと会話して、移動して、戦闘して、会話するといった流れのおつかいクエストですが、これって普通というか、世のゲームのサブクエスト全般が大体こんな感じですよね?
本作のサブクエストは、移動距離が比較的短く、ロード時間が短く、戦闘も1戦~2戦程度で終わり、人間模様が描かれたメインストーリーを補完する内容のある会話や、小さなストーリーがサブクエストで展開されており、これはオープンワールドゲームの名作『ウィッチャー3ワイルドハント』のサブクエストを彷彿とさせる出来の良さだと感じた。
サブクエストに出てくるキャラ全てがボイス付きであったり、サブキャラの過去や生き様、闇が深い世界観などが深掘りできたりと、間違いなく丁寧に意識して制作していることが見て取れる。

合理的な一本道にすることで物語の没入感がアップ

昨今はオープンワールドが主流の風潮というか、寝ても覚めてもオープンワールドって感じで、人生がニートという一本道で就職という探索もしない奴らが、一本道、一本道、探索がなくてつまらない、つまらないって、まるで一本道に何かの恨みがあるかのように連呼したりしてそうですが、本作はどうかというと完全に一本道によるまっすぐ勝負です。
もう完全に迷いがないというか、プレイヤーは指示された所へ行くだけで、迷ったりウロウロしたりすることはほとんどない。良く言えば、迷わず目的地にまで到着するのでストレスがなくストーリーがどんどん進んでいく。
悪く言えば探索要素がなく、プレイヤーが未開の地を開拓していくようなワクワク感は皆無になる。
どちらも一長一短で、個人的には全体的に面白ければどれらでもいいという考えだが、本作に関しては一本道で良かったと感じる。
本作のメインミッションは目的がはっきりしており、それに向かってプレイするというスタイルは、とにかく単純で分かりやすく、物語への没入感を生み出すのに一役買っていると思う。
買い物に例えると、買うと決めた物を買うためにショッピングセンターに行って、買うと決めた物に向かっていくタイプは、本作をそれなりに楽しめると思う。
買うものが決まっているのに、あれやこれやと色々な店に入っては、違うものを買ったり、買いもしないのにウロウロするタイプは、本作は性格的に向いてないかもしれない。

幅広いユーザーを意識したド派手な戦闘アクション

本作の戦闘アクションは、タイミングよく狙うパリィ、プレシジョンドッジ、ヒートウェイブ、タイタンブロック、レイジングフィストといったある程度スキルを伴うヘビーユーザー向けのアクションから、敵のテイクダウン時には、ライトユーザーでも簡単な操作で召喚獣アビリティを使って連続コンボによる大ダメージを狙えるといった爽快感のあるアクションが楽しめる。色々な召喚獣アビリティの組み合わせで戦いやすい方法を考えたり、最大ダメージに挑戦したりと、幅広いユーザーが楽しめるであろうシステムだと感じた。
またエフェクトが派手&迫力のあるBGMも相まって、召喚獣バトルでは映画を操作しているかのような感覚で個人的にはかなり楽しめたと思うが、もちろん戦闘アクションについて不満点もある。

幅広いユーザーを意識したことによる物足りないビルド

本作はどちらかというとストーリーメインで制作されている節や、ライトユーザーでもクリアできるアクション性を考えた結果なのか、アクションのビルド構成は正直いって狭いと感じた。召喚獣アビリティも自分だけの気に入ったビルドを構成してしまえば、もはや同じことを繰り返すだけのアクションとなるため、どうしても飽きがきてしまう。
主人公のクライヴ視点でストーリーを展開させることで没入感を高めるという観点から言えば、アクション性を犠牲にするのは仕方がない部分かもしれないが、操作キャラがほぼ主人公のみなのは正直なところ残念だったし、武器も剣だけというのは些かさびしい感じだった。
たとえば召喚獣フェニックス⇒剣 ガルーダ⇒双剣 タイタン⇒斧 ラムウ⇒棍 バハムート⇒槍 シヴァ⇒鞭 オーディン⇒刀 みたいな感じで、召喚獣の切り替えで武器が変形するようなギミックがあり、それぞれ武器毎にスキルテーブルを用意したり、召喚獣毎にレベルを設定すれば、ビルドの幅や個人にあった武器などの模索などといった幅広い遊び方が出来たと思う。
また、扱える魔法も往年のFFシリーズに比べて極端に少なく、エネミー側はケアル、プロテスなどの補助魔法が使えたり、トルネド、コメット、メテオ、フレア、ホーリーなどのお馴染みの強力な魔法が使えるのに対して、主人公の魔法のショボさがあまりにも酷い。せめてファイガ、サンダガ、ブリザガくらいは敵にぶち込みたかったという心残りがある。
他にもボムに炎属性が通ったりして属性関係がガバガバだったりと、もう少し煮詰めてもよかったんじゃないかと・・・弱点属性で大ダメージを与えるのもFFの醍醐味だったはずだし、そうゆう基本的なことはしっかり押さえておくべきだったと思う。

ド派手な演出による弊害

ド派手な演出で大迫力なのは確かに気持ちがいい!それは間違いない。
しかし、その派手な演出により視界不良でアクション性が悪くなってしまうのは残念だった。
私のようにオートアクセサリーを使用しないプレイヤーは、敵の攻撃をジャストで受けるパリィやレイジングフィストといったスキルを多用するため、派手な演出による視界不良がキツい部分があり、結局は雑に攻撃を避けるような場面が多々あった。
敵の攻撃を待つだけなら問題ないが、個人的にダメージソースの一つである、リミットブレイク時の炎エフェクトが派手すぎて、敵の攻撃が見えない見えない。
こうゆうのもあって、テイクダウンの時くらいしかリミットブレイクを使う時がないのは残念だった。
また、敵のHPをある程度削ると、ド派手な映画さながらの演出が発生して次のフェーズに移行するんだが、テイクダウン時に召喚獣アビリティのコンボをブッパしているタイミングでフェーズが切り替わるため、召喚獣アビリティで本来与えるはずだったダメージがカットされて無効になるのは、何だかモヤッっとする感じだった。
これは、各フェーズ毎に敵のHPを少なめに設定して、HPを全て削ったら次のフェーズへ移行するようにすれば良かったと思う。プレイヤー側は常に敵のHPを0にすることを目的に攻撃しているので、攻撃のチャンスを折るようなフェーズ移行の部分はもう少し調整して欲しかったと感じる。

アクションとして取り入れる意味があったのか?

もう完全にこれはないなって思ったのが、クライヴのジャンプによるアクション!!
はっきりいって、この40代の私のジャンプ力のほうがまだありますよ。なんなんでしょうかね・・・フェニックスのフィートで高速移動するクライヴのジャンプ力が、20~30cmくらいですから、通常のジャンプ攻撃の無様さといい、そのへんの低い柵とかも飛び越えることが出来ないアクションには正直がっかりでした。
なぜジャンプ力をもっと上げなかったのか?高くジャンプするだけで、空中コンボのバリエーションが増えるし、例えばタイタンのアビリティだと激震なんかの使い勝手も良くなっただろうし・・かなりの疑問が残る部分だった。正直こんなジャンプしか出来ないなら、ジャンプしない方がよかったと思う。

任意に難易度調整できる思いやりは確かにいいと思うが・・・

賛否両論あるだろうが、本作にあるオートアクセサリーは色々なユーザーに本作をクリアしてほしいという気持ちの表れだろうと感じた。当然オートアクセサリーなんかを装備しようものなら、アクション性のないゲームになってしまうだろうが、この世には信じられないくらいゲームが下手なユーザーも存在する。
スーパーマリオの最初のクリボーで連続10回くらいやられる人間も実際に存在する(私の妻だ・・・)
だから、このような救済措置的な装備はとてもよい試みだと思う。

しかし、ストーリーフォーカスモードならまだしも、アクションフォーカスモードでオートアクセサリーが使える理由については、個人的にはイマイチ理解出来ないというのが本音だ。まったくアクションにフォーカスしてないじゃないか?
せっかくアクション性を取り入れたんだから、『オートアクセサリーを装備せずにクリアした』みたいなトロフィーがあれば、もう少しヘビーユーザーの琴線に触れられたと思う。

低い難易度による淡泊な構成

本作は正直にいって難易度が低い。上記にも記載したが色々なユーザーに本作をクリアしてほしいという気持ちの表れだろう。
しかし、そのためか色々と淡泊なゲーム構成になっている。
まず、基本的にはレベルを上げないと倒せないような敵は存在しないので、意図的にレベルを上げる必要がなく、武器も普通にプレイしていればその時点での最強武器が簡単に入手できる仕様になっている。
そんな淡泊な構成の割には、過去作と比較すると俺強えー的な大ダメージを与える武器もなければ魔法も存在しない。
2周目の最強武器アルテマウェポンも苦労することなく比較的簡単に入手可能であるが、最強武器なのに雑魚敵を瞬殺するようなインパクトはなく、何だか悲しい仕上がりとなっている。
もちろん隠しボス的な強敵も存在しないし、やり込み要素に関してはかなりの薄味だったと感じる。

色々と気になるシステム部分

一番気になったのは、上記でも触れたクライヴのジャンプ力の低さ・・なんですが、他にも細かい部分は色々と気になった。

【個人的に気になった点】
・任意にダッシュ出来なくて、とにかく足が遅い主人公
・走ってる最中に話しかけれない
・チョコボの乗り降りによるタイムロスがある癖に、別にチョコボも特別に足が速くない
・チョコボ乗車中は箱を開けられない、扉を開けられない
・チョコボ乗車中にムービーを挟むと勝手にチョコボから降りる
・青く光ってるアイテムはいいけど、普通の箱のアイテムが見にくい
・扉を開けるときに、重い扉の場合はR2ボタンを押さないといけないのが面倒
・壁際だとやっぱり悪いカメラワーク
・スムーズに動かない、処理の遅いUI
・2周目なのにスキップできないムービーが多い などなど

登場キャラ達の人間模様

本作に登場するキャラは全体的に人間味があってよいと感じた、もちろん一押しは『ミド』・・なぜなら可愛いから!
もちろん、ジルも可愛いし、なぜか裸になったり、ベネディクタも可愛いし、おじさんは可愛い女が大好きなのである。
しかし、本作に関しては男のキャラもいい味をだしており、ガブなんて友達にほしいなぁって感じるほどいい奴だったし、シドも渋くてかっこいいし、ブラックソーンの繊細で不器用なところとか、オットーの男気とか、色々とナイスなイケオジが沢山いたと思う。
個人的には久々に再開したウェイド卿との流れは良かった・・逆にルボルとかいうキャラは最初の印象が悪くて最後まで嫌いだったけど、総じて本作の登場キャラはいい感じだった。

BGM

本作のBGMは、召喚獣バトルのような迫力のあるシーンでは、胸を熱くするようなBGMがしっかり使われていて、特に主人公クライヴがリミットブレイクを習得するバトルや、タイタン戦は良かったと思う。しかし通常時のBGMは正直なところあまり印象に残るようなBGMはなかった。
何度も敵と戦うが故に、通常バトルの曲というのはかなり重要だと思うし、心に残る曲というのはゲームをクリアした段階であれば、口ずさむくらいには頭に残っているものだと思うんだが、本作にはそうゆう曲がなかったのが残念だった。
お馴染みの勝利のファンファーレなども、個人的には好きなので多用しても良かったのでは?と感じた。

 

悲しいエンディング

個人的にはハッピーエンドで終わって欲しかったと感じるエンディングだった。
色々な読み取り方が出来る最後ではあったかと思うが、ストーリーの展開や、神話、伝承、星詠などの背景から、私の考察では主人公クライヴは残念ながら亡くなったという結論に至り、ジョシュアは生き残り『ファイナルファンタジー』を筆録して後世に伝えたと考察した。
ハルポクラテスがジョシュアについて、この世界の歴史を紡ぐ時代の語り部としての道を歩んでほしいと言っていたのもあるし、本作の登場人物として描かれた主要キャラとトルガルについては、星座と深い関わりがあると個人的に感じた。

以下は個人的に考察した対応する星座

 

星座をモチーフにした主要キャラ(考察)

クライヴ(ミュトス)

冬の大三角形を構成する、オリオン座の『ベテルギウス』をモチーフにしていると考察。
ベテルギウスは『中央のもの』という意味もあり、本作の中心人物として描かれるクライヴ、そして、エンディングで消えてしまった赤い星『メティア』は、このベテルギウスを表しているものと考察した。

トルガル

冬の大三角形を構成する、おおいぬ座の『シリウス』をモチーフにしていると考察。
オリオン座の猟犬(ペット)として扱われ、中国では天狼星と呼ばれたり、サンスクリット語ではシヴァを表している。

ジル

冬の大三角形を構成する、こいぬ座の『プロキオン』をモチーフにしていると考察。
別名は犬に先立つもので、アラビア語では北のシリウスを意味する。北部諸国首領の娘というところからもこのように考察。

エンディングではメティア(ベテルギウス)が消えたことにより、ジルとトルガルはクライヴが最後を迎えたことを察することが出来ていた。これは同じ冬の大三角形を構成する星座だったからと考察する。

シド

冬の一等星、りゅうこつ座の『カノープス』をモチーフにしていると考察。
別名は水先案内人、操舵者などで、エンタープライズをシドが操舵出来たら良かったと思う。

ベネディクタ

夏の大三角形の一角を担う、こと座の『ベガ』をモチーフにしていると考察。
別名は降りている鷲で、ガルーダは鷲を神格化したもの。

フーゴ

春の一等星、うしかい座の『アルクトゥルス』をモチーフにしていると考察。
一説によれば、天を仰ぐタイタン族のアトラスに例えられる。

ディオン

秋の一等星、みなみのうお座の『フォーマルハウト』をモチーフにしていると考察。
別名は大魚の口で、FFでは竜として扱われているバハムートだが、イスラムの伝承では巨大な魚・・クジラのこと。
召喚獣でクジラが出てきてもらっても、正直たしかにダサい気がするし、竜で本当に良かったと思う。

ジョシュア

冬の一等星、おうし座の『アルデバラン』をモチーフにしていると考察。
別名は、後に続くもので、クライヴの意思を継ぐジョシュアを連想させる。

ヴァリスゼア & アルテマ

本作の舞台である終焉に向かう大地は、『火星』をモチーフにしていると考察。
火星はギリシャ語でアレースを意味し、戦いに荒ぶる軍神の如く各国で戦いを巻き起こしている。
そして、そんな世界を形成したのは、本作のボス、アルテマである。

クライヴ(ロゴス)

本作の主人公の最終形態であるロゴスは、さそり座の『アンタレス』をモチーフにしていると考察。
別名は火星に敵対するもの、比類するものという意味があり、アルテマ戦で最終的には同格の能力を手に入れてアルテマを倒したロゴス(クライヴ)ですが、最後の最後でヴァリスゼアというアルテマが作った世界の理を破壊するために力を使い果たします。
神話ではオリオンは、さそりの毒でやられているように、本作ではロゴス(アンタレス)がクライヴ自身(ベテルギウス)を石化という名の毒で石化させてしまいました。

悲しい最後でしたが、星座をモチーフにしている本作のストーリーは、考察するのが面白かったし、エンディングもハッピーではなかったけど、良く考えられたものだと感心しました。
中でもハルポクラテスが師と仰ぐ、歴史学者モースの筆録が1つしかないことにすることで、故意的に物語を濁して考察する余地を残している。
星詠みの概念があった本作の舞台を考えると、恐らくモースは星についても研究しており、『アルマゲスト』的な筆録を残していたのかもしれない。

 

まとめ

あれやこれやと言いたいことを書いたわけですが、今回のファイナルファンタジー16ですが、個人的には面白かったです。
アクション面やシステム面で色々と惜しい部分は多々ありましたが、ストーリーを王道ファンタジーとして、分かりやすくゲームの流れが止まらないように無駄を省くことで、自然と没入しやすいゲーム設計とし、物語の一部を故意的に濁しながらも匂わせることで、プレイヤーに考察させる余地も残してある

インターネットで便利になった昨今、人と人の繋がりは軽薄なものになった。
便利になった生活に伴い、甘く堕落している人間・・・言い方が乱暴だがニートが増加して、家族の絆、兄弟の絆、恋愛感情、強い意志を持った人間が減った。

本作は、そんな現代社会において忘れてしまった、人間として大切なものを思い出させてくれるような作品だったように思うし、最近のFFとは比較するまでもないレベルで上質なゲームに仕上がっていると感じた。

本作を更に改善して、次のファイナルファンタジー17は、より良いゲームになるだろうと思わせてくれた。
今後のファイナルファンタジーに期待したい。

 

 

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